2011年12月02日

もっと気楽に就活するための覚書D 自己PRのために自分を取材する

自己分析をするための、自分取材のしかたについていくつか質問をいただきましたので、
ここで回答したいと思います。


自己PRを書くためには、「自分はどういう人間か」を知らなければいけません。
そのために行うのが、「自分取材」です。
自分取材の目的は、「あなただけのストーリー」を見つけることです。


自分取材では、自分で自分に質問するだけではなく、他人(親、友達、後輩・・・)に聞いてみるのもいいでしょう。
私がアスリートの皆さんに取材していて思うのは、意外と自分のことを過小評価している人が多いということです。

「え、それってそんなにすごいことですか? 当たり前だと思ってました」
ということが、実はけっこう多いんです。
このように、自分は自分で思っているよりもすごいことをしてしまっているのです。
「僕は平凡な学生だ」「私には何も特別な経験がない」・・・そう思っている人も多いかもしれません。
しかし、20年も生きていれば、何か人と違う体験や、自分らしい体験をしているはず。
普段、そんなことは意識していないでしょうから、思い当たらないだけです。
自分取材で、「あなただけのストーリー」を見つけてください。

では、自分への質問にはどんなものがあるのでしょうか?
以下、ざっと挙げてみます。


・あなたの長所は? 短所は?

・あなたは、他人からどういう人だと言われますか? また、それをどう思いますか?

・あなたが「これだけは誰にも負けない」と思えるのは、どんなことですか?

・あなたにとって今までで一番楽しかったこと/つらかったことは?

・一番感動したことは?

・最近関心を持ったニュースは?

・一番困難を乗り越えたと思える経験は、どんなものですか? 
 それを今の生活にどう活かしていますか?

・一番悔しかった経験は? それを今の生活にどう活かしていますか?

・大学でどんなことを学びましたか? それは今後にどう活かせますか?

・どんなサークル活動をしていますか? そこから何を学びましたか?

・学生時代に打ち込んだこと/身に付けたことは何ですか?

・就職先を選ぶ際、最も重視することは何ですか? それを実現するために何をしていますか?

・職業を選ぶ際、最も重視するのは何ですか? それを実現するために何をしていますか?

・5年後(10年後、20年後)はどんな仕事をしていたいですか?


などなどです。


それぞれ、答えはあなたの中にしかありません。
まずは、自問自答してみてください。
そして、それぞれの質問に対する答えを裏付けるエピソードも書き出してみましょう。エピソードがあるとリアリティが増します。
例えば、「私は○○な性格です」というのなら、そのことをそのまま書くだけではなく、
それを表すエピソードを付け加えましょう。

具体的に言うと、私自身の長所は「無駄足をいとわないこと」だと思っているのですが、
であれば、
・原稿依頼があってもなくても、年間200試合以上を取材する
・注目している選手には、勝っても負けても話を聞いておく
・普段の練習やオープン戦まで見に行く
といった具体的な行動事例や、

・いつも神宮球場で試合を見ているので、2011年の10月6日に青学大の杉本選手が日大戦で東都では19年ぶりのサイクルヒットを達成した瞬間も見逃さずに済みました。そして、それを見ていたおかげで、その試合について週刊ベースボールから原稿依頼をいただくことができました。

・S投手については大学3年の無名な時期からずっとフォローしていました。勝っても負けても毎回話を聞いていたので、有名になってから近づいていった人たちと違い、信頼され、本音を聞き出すことができました。

といった体験談/経験談を挙げることによって、「ああ、なるほど」と分かってもらえます。


それから、「あなただけのストーリーを」と述べましたが、人は誰もが人を感動させるストーリーを持っているものです。
ところで、「感動するストーリー」とは、どんなものでしょうか?

それは、「伝わるエントリーシートの書き方」でも述べましたが、

「はじめ」「なか」「おわり」の3幕構成で語ることのできるストーリーです。

簡単にいえば、「あなたが何かをしたり、目標を成し遂げようとしたとき、途中はうまくいったり、いかなかったりしたけれども、結局はうまくいった/いかなかった」というような話です。
3幕構成のストーリーは、ハリウッド映画の脚本家が使っているストーリー構築の手法でもありますので、紹介しておきます。


●はじめ=第1部

第1部では、主人公の日常生活に、何らかの変化が起きます。

@ 日常の世界…あなたにとっての「日常」とは? その日常を脅かす危機とは?
A 冒険への誘い…主人公は日常にとどまることができなくなります
B 冒険への拒絶…主人公は出発をためらいます/誰かが、何かが引き止めようとします
C 賢者との出会い…旅に導いてくれる人が登場します。
D 第一関門突破…賢者のおかげで、主人公は旅立つことができます



●なか=第2部

第2部では、主人公が旅の途中で様々な困難に立ち向かい、やがてそれを克服します

E 仲間、敵対者…目的達成をサポートしてくれる人や、邪魔しようとする人が現れます
F 最も危険な場所への接近…旅の目的地=目標に近づきます
G 複雑化…目標にあと一歩のところで一度失敗したり、状況が悪化したりします
H 最大の試練…目標達成の目の前に、最大の困難が立ちふさがります
I 報酬…困難を克服し、目的を達成します


●おわり=第3部
J 帰路…主人公は家路につきます
K 再生…主人公は日常生活へと戻ります
L 帰還…主人公は目標を達成し、自己実現を達成します

                                       愛育社「神話の法則」より


SF映画の「スターウォーズ」でも、アニメの「ワンピース」でも「ガンダム」でも、
邦画の名作「Shall we dance?」(ちょっと古いか?)でも、
名作といわれる物語は、すべてこの形を踏襲しています。

そして、現実のあなたのストーリーも、これにあてはまるような物語があるはずなのです。
それを探してみましょう。
次の質問に答えていけば、ぼんやりしたものもはっきりしてくるのではないでしょうか?


@あなたは、以前はどんな主人公でしたか?

Aあなたに欠けているものは何でしたか?

Bあなたは、出発点では次のうちのどの状態でしたか?
・自分の行き先がわからない
・成功した状態にあった
・かつては成功していたが、今はうまくいっていない
・まったく成功していない、これから成功したい

Cあなたの最終目的は何でしたか?

Dあなたが行動を起こすきっかけは何でしたか?

Eあなたの目的達成を妨害したものは何でしたか?

Fあなたに敵対した者(目的達成の障害となったもの)は、どんな人(モノ)でしたか?

Gあなたを助けてくれた人はどんな人でしたか?

Hその人は、なぜあなたを助けてくれたのでしょうか?

I目的を達成したときに手に入れたもの/失ったものは?

J目的を達成したあなたは、どんな主人公になりましたか?


                           大塚英志著「ストーリーメーカー」(アスキー新書)より


こうして見つけたストーリーは、あなただけのものです。
こういう「あなただけのストーリー」をうまく自己PRに活用してください。

活用した例を、ひとつ挙げておきますのでご参考まで。


Q:大学時代に達成感を得た出来事は何ですか?

私は足を使って一晩で25万円を稼ぎました。        
私は○○大学のスポーツ新聞部で活動をしているのですが、○○年の春、野球部が○シーズンぶりに○○リーグで優勝を飾り、すぐに号外を発行しよう!ということになりました。
その号外を制作するための費用が10万円足りませんでした。
メンバーにはあきらめムードが漂いました。  
でも、私はあきらめませんでした。
野球部のグラウンドの近くの商店街のみなさんの顔を思い出し、一口5千円の小さい広告を出してもらうことを思いついたのです。すぐに○○駅の商店街へ行き、一軒一軒たずねてまわった結果、なんと●●軒中50軒のお店が広告を出してくれました。
集めたお金は25万円!      
このお金を握り締めながら徹夜で記事を書いて紙面を作り、翌日の優勝パレードで号外を配ることができました。
配り終えてホッとしながら、その号外を手にとってくれた方が笑顔で読んでくださるのを見たとき、私の疲れは吹っ飛び、喜びが溢れました。               
「私たちが作った新聞で、笑顔になってくれる人がいる」。
こんなにうれしいことはないと、そのときに思いました。   
これからもこの経験を忘れず、御社でも最後まであきらめない姿勢で仕事をしたいと思っています。



以下、解説します。

私は足を使って一晩で25万円を稼ぎました。        


私は○○大学のスポーツ新聞部で活動をしているのですが、   …ここから「はじめ」
○○年の春、野球部が○シーズンぶりに○○リーグで優勝を飾り、
すぐに号外を発行しよう!ということになりました。      …日常からの旅立ち


その号外を制作するための費用が10万円足りませんでした。  …ここから「なか」

メンバーにはあきらめムードが漂いました。         …妨害するものが現れる

でも、私はあきらめませんでした。
野球部のグラウンドの近くの商店街のみなさんの顔を思い出し、     …賢者の助け
一口5千円の小さい広告を出してもらうことを思いついたのです。
すぐに○○駅の商店街へ行き、一軒一軒たずねてまわった結果、
なんと●●軒中50軒のお店が広告を出してくれました。
集めたお金は25万円!                       …困難を克服


このお金を握り締めながら徹夜で記事を書いて紙面を作り、    …ここから「おわり」
翌日の優勝パレードで号外を配ることができました。
配り終えてホッとしながら、その号外を手にとってくれた方が
笑顔で読んでくださるのを見たとき、
私の疲れは吹っ飛び、喜びが溢れました。               …家路へ
「私たちが作った新聞で、笑顔になってくれる人がいる」。
こんなにうれしいことはないと、そのときに思いました。        …日常へ戻る

これからもこの経験を忘れず、御社でも最後まであきらめない姿勢で仕事をしたいと思っています。


ポイントは、この文章が、大きく分けると

「はじめ」=私は足を使って一晩で25万円を稼ぎました。 
「なか」=私は○○大学の〜そのときに思いました。
「おわり」=これからもこの経験を忘れず、御社でも最後まであきらめない姿勢で仕事をしたいと思っています。

の3幕構成になっていて、
その「なか」の具体的なストーリーの部分がまた、「はじめ」「なか」「おわり」の3幕構成になっている点です。

いかがでしょうか?
こういう形にすれば、相手には「あなたがどんなことに打ち込んできたか」がスッキリ伝わるはずです。

posted by かなめ at 00:31| Comment(1) | TrackBack(0) | 取材記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
Posted by 履歴書の自己PR at 2012年03月17日 10:53
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